30歳になりました。

 

今月はじめ、誕生日をむかえました。


今まで時間の区切りに無頓着でいましたが、今回の誕生日はなんだかすとんと思考が切り替わるような、気持ちのいい風が吹き抜けたような、そんな心地がしました。人生の第一章、完。というか。

それからしばらく、そのいい気持ちにフワフワと身体を委ねていたのですが、東日本大震災から10年の節目の日の午前、避難訓練のアラートが鳴り響いたため完全に目が冴えて、今までとこれからについて色々と考えを巡らせていました。


思えば、20代までは実はずっと暗い道を歩いている気持ちでいることが多かった。『僕の夢は “お祖父ちゃん” になること』と大学の同級生が言った時には、『この人は、自分の生を肯定するのに毎日苦労したりしないのか』と驚愕したものです。今思ったら彼のほうが普通でただただ健やか、わたしは自分で設定したハコに苦しんでいた人間でした。

ただ幸運なことに、好奇心に翻弄されるがままに動き回ることができ、世界の様々な場所で驚きや喜びや葛藤を感じました。出会う人それぞれの寛容性や、野心や満足、矛盾への折り合いの付け方に普遍的な人間を見て取って安心したし、また境界線の向こう側の他者への冷淡さ、小さな疑心がさらなる誤解を生むこと、システムの狭間に落ちた大事な人達に対しての自分の無力さに虚しくもなりました。

脳を突き通るような楽しい刺激も死にたい気持ちも理不尽への怒りもあった20代。それらの経験の上に立って、手の内にある自分の性格や特質や技能を使って何ができるか考えて進むのが30代なんだろうと思います。一歩進むと上にひしめく有能な人達が目に入ってしまい中途半端に立ち止まりがちですが、もうちょっと目的を定めて自分から動いていこうと思います。

このブログも、自己開示をきちんとできるようになりたいからと始めて、月に10投稿を頑張ってきました。少しずつ、言いたいことが言葉にできてきているような気がします。とりあえず100記事まで自分のために書いて、そこから人が必要としている読み物を書き、届けるように改善していこう。

わたしは本当にすぐ虚勢を張るし空回りするし落ち込むんですが、人に恵まれていることだけはとても誇りに思っていて、それでもそばにいてアレコレと良くしてくださる皆様がいるから愉快に生きていられます。もちろん学校が合わずにどん底の気分すら感じなくなるところまでいったり、理不尽なブラックインターン・ブラックベンチャーで疲れ果てたこともあります。新卒で就職しなかったから一通り様々なマルチ商法からの声はかかったし、わたしみたいな見た目に構わない天邪鬼にもいろいろ下心を持ったオジサンが近づいてきたこともありました。でもいま周りを見回して残っているのは、辛いこともたくさん味わった上でなお、他人に優しい人達ばかり。だからもう、この先は大丈夫だろうと思います。


ちなみに写真は、冬中自室で愛でていたハヤトウリという野菜が発芽したところです。いつ食べようかとタイミングを決めかねていたら、春になってしまっていた。でもこういう予想外の出来事が大好きなので、こういうものを日々愛でていたい。

わたしの大好きな本の1つ『アルケミスト』に「幸福の秘密とは、世界のすべてのすばらしさを味わい、しかも(遠くの素晴らしいものを見て周るときにこぼれ落ちそうな日常である)スプーンの油のことを忘れないことだよ。」という言葉が出てきます。そういう気持ちを大事にしながら30代を過ごしていこうと思っています。