情報整理を上手くなりたい(2):「知的生産の技術」のエッセンス

 

この記事では、ノートも思考も散らかりがちなわたしが「情報整理上手くなりたい…」と自分に合った方法を試行錯誤したことについて書いています。

枝葉のついた文章や思考を愛してはいるものの、人に伝える時にそれが不要な時もあるわけで。目的に応じて情報の整理と知的生産の道のりはデザインできると信じて、やっていきたい。

重い腰を上げるに至ったきっかけについてはこちら。

情報整理、上手くなりたい(1):梅棹忠夫すごい

2021年3月4日

超ロングセラー本「知的生産の技術」のエッセンス

わたしは、情報を取得しそこから何かを自分で判断したり新しいアイデアを生み出すことを「知的生産」だと思っています。せっかく好奇心まかせでいろいろなものを見聞きしてきたのだから、それを活かしたい。そういうわけで情報整理のスキル改善に乗り出しました。

さて、緻密な情報収集を通して世界を解き明かし、未来を見すえた著書を多数残した知の巨人・梅棹忠夫の「知的生産の技術」を読んでそこにある知的生産の技術原理を探り、また実際の梅棹ノート&カードを見たことから現代に生かせる要素を洗い出してみます。情報の整理とそこから新しい知見を生み出す技術、情報氾濫の時代にこそ必要な力…。

目指すのは:

  • 個人が情報社会に向き合うための「知的武装」
  • 情報を記憶から消してもいい状態
  • 精神衛生の秩序としずけさ

その目的達成に最重要なのは:

  • 細微まで記録する
  • 誰にでも分かるように記述する
  • 統一規格に作り直し、自在に並べ替える

具体的に必要な行動は:

  • 緻密な記述・数値記録・スケッチでの情報収集
  • 全ての思考と疑問を一括して書き留めるノート作り
  • その情報を並べ替えできるように一項目一枚カード作り(おそらく記憶の定着も兼ねている)
  • タグ付け、カテゴリ分けの徹底
  • 箇条書きなど、カードに書き込む時点での徹底した整理(「豆論文」と表現)
  • 自在な並べ替え(進化版が「KJ法」として有名)

あたりでしょうか。

カードにまとめ直す時点で、しっかりとした構成の文章や箇条書きに仕立て上げるという部分は人によるかもしれません。でも梅棹忠夫が実際に書いたメモをみると、見やすい字が整然としていて誰にでもわかりやすい。誰にでもわかりやすいということは自分にもわかりやすい。『情報は共有するかもしれないもの』という前提で整理する方がいい気がします。

知的生産のツール

この本には、

  • フィールドノート(野帳):観察とそこから浮き出す思考や疑問を書き留めるノート
  • ローマ字カード:タイプライターで手書きカードの中身をローマ字打ちしたもの(今はもう不要)
  • 手書きカード:一項目一枚で思考や気付きをまとめた厚紙カード
  • アドレスカード:住所録は増えるので、ノートでなくてカードで保存 (今はもう不要)
  • こざね:小さな紙にアイデアを量産し、並べ替えて構成・ホッチキス留めする
  • 一件ファイル:案件/カテゴリごとにフォルダわけ
  • 写真・スケッチ:視覚情報も大事、整理が難しい

という知的生産の「七つ道具」が出てきます。結局現代に必要なのは上記のうち五項目かなあ。

「こざね」がピンときにくいのですが、こういうメモ用紙とその構成のこと。確かにTwitterっぽい。

 

ちなみにB6サイズの手書きカードは、「京大カード」という名前でも有名で、今でも製品として売られているくらいメジャーになったもの。

だいじなことは、カードをかく習慣を身につけることである。どうしたら、その習慣が身につくか。根気よくつとめるほかはないのだが、たとえば、つぎのような方法はどうだろうか。それは、おもいきってカードを1万枚くらい発注するのである。1万枚のカードを目の前につみあげたら、もうあとへひくわけにはゆくまい。覚悟もきまるし、闘志もわくというものだ。(『知的生産の技術』p. 56)

京大カードの使い方はこちらの記事に。

 

アナログ・デジタルで自分の「七つ道具」を用意する

いろいろ検討してみたけれどシンプルに落ち着きました。あまりツールを増やさない方が自分の少ないワーキングメモリの為にも良さそう。デジタル処理はだいたいEvernoteに集約されそうです。さすが効率化アプリの雄…。 後はふせんとノートとペンが手放せません。それからTrelloが案外いろいろなことにつぶしが効きそうな使い勝手でした。

  • フィールドノート:無地のノート1冊に全てを時系列に詰め込む
  • ローマ字カード/手書きカード:Evernote (現物スキャン)+Googleレンズ(文字情報デジタル化)/ 音声入力
  • アドレスカード:スマホの連絡帳+名刺はEvernoteに
  • こざね:Trello、ふせんを使って作成&並べ替え
  • 一件ファイル:Evernoteでノートブックを分けて整理
  • スケッチ(イラスト):Evernote で写真をとってスキャン加工し、ノートのタイトル付け&タグ付け
  • 写真:今のところGoogleフォトとHDDで日付順に保存。テーマごとにタグづけしてカテゴリ検索できるようにしたいところ…

フィールドノート

思考整理は手書きのほうがよっぽど捗るのでノートは必須。ノートの上で縦横無尽に線を引き繋げ思考を固めていくという方法が取れることもあるし、実際に指先だけではなく腕全体を動かしている方がアイディアがわき起こりやすいように感じます。体が遊びだと思ってる方がリラックスしていいのかな。

これを、3日に一回なり1週間に一回なり、全部Evernoteでスキャン・OCR・タイトル付け、タグ付けを行うのが良さそう。ここは一番サボってはいけない部分だけど、楽しくない作業として捉えがちだから、どうにか工夫してゲーム性を高めていきたい。せっかくの抽出物を無駄に埋もれさせず、生かしていくのもまた創造の実現に必要なプロセス…

ちなみにEvernoteより後から出てきた同種のアプリNotionが気になっている。ただ評判が良いものの、わたしにとっては機能が多すぎてまだ触る気になれていない。今のところEvernoteで事足りているし、と思ったところで「これはFAXに固執する人の思考と似ているのでは… 」と震えた。

ローマ字カード

ローマ字カード自体は不要だけれど、アナログのものを清書=デジタル化するという意味でいうなら、Evernoteのスキャン機能+GoogleレンズのOCR機能・音声入力。

わたしはまず、殴り書きを止めないといけない。脳みそからこぼれ落ちそうな言葉をきれいな字で書き留めるのは結構難関に感じる。

アドレスカード

住所録は、スマホの連絡帳で事足りてしまうのだけど名刺だけはEvernoteに全保存している。名刺の主が、そのデザインから伝えたかったことも保存しておきたかったから。Eightという名刺管理アプリを使ったこともあるけれど、勝手に登録した名刺の人とEight上で繋がってしまうのがイヤで結局Evernoteに落ち着いた。

こざね

読んだ記事にTwitterっぽいと書いてあったのでTwitterでもできるかなと思ったけれども、やっぱりTwitterを開けるとフィードを見ちゃうので断念。Twitterを見すぎると世界がタコツボ化するのを感じるので、あまり見ないようにしたいところ…。

その分タスク管理サービスTrelloは、使い勝手がよかった。タイトルの下に項目を量産し、それを好きに移動させることができる。画像の貼り付けもできる。

梅棹忠夫は、ひとつのこざねに単語だけでなく文のまとまりを書くように言っているので、上の例はちょっと足りないけれど…(それ以前にただのブレインストーミングになっている気もする。)機能的には完璧で、練習すればTrelloでかなり効果をあげられるのではという実感が持てた。

机に向かっているときは、思考から急にはみ出した発想や疑問は付箋を大量に使って記録しているけど、結局整理整頓が大変になるからそのうちTrelloに置き換えられたらいいな。

これから最低限練習していくこと

道具はそろったから、あとは繰り返しアウトプットの方法を練習しないといけません。形から入って満足しがちだから自戒しています。

  • 記述を怠けない
  • 規格統一化を怠けない
  • タグ付け・カテゴリ分けを怠けない
  • それらを使ってじっくり考え新しい知見をうむ時間をつくる

これらを頑張っていこう。多分、ごろごろしながらでも、できそう。

これからは、着実に、ひとつひとつ。