ダラダラした人間ほど、筋トレをしたら楽になる

 

去年から、運動をするようになった。なぜかというと運動をしなかった方が身体がだるいからだ。

基本的に運動は好きじゃない。ゲーム性のある少人数スポーツには好きなものもある。バドミントンとか。スキーやスノーボードも一人でできるしスピードでアドレナリンが出るので好きだ。ただ、反復運動を同じ場所で続けるということは本当に苦痛で続けられない。他人の姿が目に入った明るくて様々な音や匂いがする場所で反復運動をするジムなんて恐怖でしかなくて、入会しようと思ったことすらない。

でも身体がだるいのはQOL全体の負担で、どうしても改善したかった。何もしなかったら朝起きた瞬間から身体がだる重く、それはどうしても避けたい。だから月に数回の山登りやジョギング、日に5分の自宅運動としてプランクかボクササイズ、あとはベリーダンスのレッスンを取り入れ、このコロナ期間にわたしはとても健康になった。

ダラダラして見えるというのは、身体を上手く使いこなせていないということなのかもしれない。しゃきっとしなさい!と言われても身体がまっすぐに維持できないのだ。ダラダラすることを意識して行った結果ダラダラを極めたわけではない、ただ身体の能力が届くところまで手を伸ばせていないだけだ。そんな人間にとって、1日5分でもいいから “限界だと感じるところまで、なんなら限界をちょっと超えたと感じるまで”  身体を動かすことが身体改善のコツなのだと思っている。

運動をはじめた結果、よかったことしかない

Twitteの筋トレクラスタが「筋肉は裏切らない」「全ては筋トレで解決する」と色々言っているのは見聞きしていた。運動を始めた結果、断言できる。運動したらいいことしか起きない。特に、普段から体を動かす習慣がない人間にとっては。一言で体を動かす習慣がないといっても、意識して運動をしなくても体幹がしっかりしている人はいるし普段のコミュニケーションにおいても大きく笑ったり身振り手振りで長時間話し、エネルギーを使っている人もいる。そう言うわけでもなく、ダラダラと過ごし、ダラダラと話し、ダラダラと移動するような人間は特に、1日5分でいいから激しく身体を動かすべきなのだ。

まずわたしは、筋力不足で体調不良になることが少なくなった。肩こりは改善したし、数年来の腰の痛さがなくなった。中学生以来10年以上スポーツから遠ざかっていたわたしは、26歳の時に一度体がだるくてだるくてしょうがなくて、内科に「ずっと身体がむくんでいるし足がだるいんです」とうったえたことがある。血液検査をしてみたものの、得られた結果はむしろ「血はサラサラ・ど健康」というお墨付きだった。だから「甲状腺の病気でもないしね…心療内科に行ったら?」と言われてしまった。確かにその時は勉強と仕事を同時並行でやっていたから精神的な問題もあったのかもしれないのだけど、今思うとどう考えても運動不足なのだ。ずっと机に向かうかベッドの上で同じ体勢でパソコンか本かスマホに向かっているだけ。同じ時期、2ヶ月に1回は風邪をひいていたし、さらに肩から上に腕上がらなくなったことがある。今思うと完全に四十肩の症状だった。ここ数年風邪をひいていないことを考えると、あれが人生で一番運動不足で不健康だった時期なんだろう…当時は全くそれに気づかなかったけれど。

ダラダラした人間なりに運動をする習慣がついた今でももちろん、半日かけて山登りをすると翌日身体がしんどい。でもやっぱり寝つきはとてもいいし、目覚めはかなり改善した。そして筋肉痛が引いたころには身体がいつもよりスッキリしている。寝つきに関して言うと「最近どんどん夜型にシフトしていて良くない傾向だな…」と思ったらそれくらいきつい運動を入れるようにしている。そうすると疲れて早寝するのでリズムを強制的に戻すことができる。

それから、ぐらぐらだった体幹の筋力も増したのか姿勢も改善した。だからエクササイズによる効果が、意図するように身体に伝わりやすくなったように思う。「ジョギングをしてもタイムが伸びないな、筋肉がつきにくい身体なのかな…」とずっと思っていたけどそもそも身体の境界線、自分の筋肉の稼働できる度量をちゃんとわかっていなくてうまく身体を使えていなかった可能性が高い。効果を考えると、取り組むべき順番は、筋トレ→ストレッチ→姿勢矯正→ジョギング だった。そもそも、体の動かし方をわかっていないと、自分の想定しているポーズが実際には全く違うものになっていたりする。わたしは肩甲骨が全然動いていなかったらしく、自分では腕をまっすぐ伸ばしているつもりでも人から見たら全然まっすぐではなかった。また、プランクをきちんとした形にできるようになるまで数ヶ月かかったが、それができると他のことも伸びてきた。その辺りのそもそもの身体の使い方と自己認識のズレを修正することが大事だったみたいだ。自分の現状を正しく把握し、何が問題か分析して、修正するのは身体トレーニングでも一緒なんだと学んだ。

ちなみに、身体の使い方のよくないくせを直すには、誤った方向にむしろ力をかけて、それへの抵抗の方法を筋肉に認識させるのがいいらしい。

 

トレーニング動画は同じインストラクターのものにしぼって使ってもいいけど、体の使い方に関する動画はいろいろ見てみると身体感覚への解像度があがる感じがして面白い。文字情報で伝わりづらい領域がうまく理解できる動画がたくさん出ていてとても助かる。

例えばこれはサッカーのトレーニング動画なのに、ストレッチばっかりしている。実は上半身の柔軟な動きが方向転換のキレに大事らしい。

 

 

あと、お尻まわりに毛包炎という痛いブツブツができやすかったのが、かなりマシになった。老廃物がたまりやすかった部位の代謝が上がったとかなのかもしれない。

最後に、筋肉量が増したことで活発で信頼のおける人間の見た目に近づいた。もともと20歳ごろから下手すれば「気怠げな団地妻の雰囲気」と言われていたので、そこから脱出できつつあるのは主観的に喜ばしい。そして、闊達で健やかな見た目のほうがコミュニケーションのコスパがいい。人々が自ずと「闊達で健やかな人なんだな」という好意的な心象を持って接してくれるから、あとはそこにちょっと空気が読めないとか言葉遣いが固かったところで個性として受け止めてもらえる。今までは何だったんだ、確証バイアスはうまく利用するに限るなぁ。

自分をだましだましやるための環境づくり

振り返ってみると、日々のエクササイズを始めた最初の6ヶ月が一番大変で、それを超えたらルーティンとして身体に染み込んだ行動をできるようになってきたように思う。そして最初の6ヶ月で投げ出さないためには、自分をだまくらかして何とか続ける工夫が必要だ。

特にプランクはきつくて、最初は「なにこれ拷問!無理!なんでこんなこと好き好んでやる人間がいるのか、理解に苦しむ…」と思っていた。①自宅で、②インストラクターの動画を見ながら、③オンラインでトレーニングをする誰かを確保する、の条件が整っていなかったら無理だった。

まずは、とりかかるハードルを極端に下げることが大事だ。わたしの場合はとても出不精なので、手軽に家でできることが大事だった。そして思い立ったらすぐ、山や川沿いといった人がいなくて自分がストレスに感じない運動環境にアクセスできる状態だったのも功を奏した。

さらに継続するための強制力として、オンラインで友達と電話をつないで一緒に運動できる状態があったからなんとかなった。もともとの知り合いがコロナ禍でみんな家から出られず、まとまった時間になにかしなきゃと思っていたからできたことだ。もし今から始めるとなったら、わたしは継続的にオンラインエクササイズ仲間をつかまえておくことができるかわからない。でもとにかく、「約束したからやらなきゃ」といって他人を外部要因にするのは大事だ。そうしないと、一人だと今日はいいや…を延々繰り返すことになっていただろうな。

ちなみにわたしはトラッキングが全然できない人間なのでアプリを入れても三日坊主だ。アプリの存在を忘れるし、思い出してもスイッチオンオフをするのを忘れる。だから、体重や筋肉量は把握していない。だるさが解消されればそれでいい、という目的にのみ集中していたのも結果的に筋トレに向き合う心理的なハードルを下げることになってよかった。

そして去年からの自粛期間に、良質のトレーニングコンテンツがインターネット上に大幅に増えた。いろいろ見てやるのが好きな人はそれでも楽しいだろうし、わたしのように一人のインストラクターについていきたい人でも国内海外様々なテンションと難易度の選択肢から選べるいい時代。わたしはこのBEST BODY LIFEさんのトレーニングのみに絞っている。あまり若々しかったり画面いっぱいに明るい文字が躍るような動画はテンション的にしんどいので、そうではないお姉さんインストラクターの動画を選んだ。そのコンテンツの中のなるべく激しい動きがある動画を選んで、何も考えないようにしながらひたすら指示通りにする5分間を過ごしている。5分でも筋トレをするとその日家から出ずにダラダラしていた罪悪感と、次の日の自分からの叱責が帳消しになるので、なんとかついていけている。

楽しいと思える運動の習い事を一つ持っているのもいい。学生時代に楽しそうだなと思っていたベリーダンスをこの機会に始めて見た。30~50代の女性ばかりの少人数制で基本の動きをきちんと教えてくれる先生が見つかったのでよかった。月謝を払っていると、「行かなきゃもったいない」と思えるので通えている。ベリーダンスを始めて、肩まわりの柔軟性が格段に上がったし腹部の体幹が鍛えられた。ベリーダンスのこの動きをするにはこの筋肉を鍛えなければならない…と思うと、その部分の筋トレを重点的に行う気も湧く。人間、何事でも目的があった方が推進力がでるのだと感じた。

 

ここまで書くと、今日トレーニングをサボるのは気が引ける。だからこの記事を公開次第、ジョギングに出かけようと思う。

よし、宣言した。やらざるを得ない。