推し芸人ライブのあたりさわりないレポート

 

推し芸人が定期的に京都のギャラリーでやっている丸2日間耐久コントライブに行ってきた。推し芸人が誰かはエゴサ避けのため書かない。本当に自意識過剰で嫌になるが、でも読まれたくないんだから仕方ない。

ただこのブログにたどり着いた方に推しのことを知ってもらいたい気持ちは大いにあるので、気になる方はぜひ前のライブレポを参照してください。逆にこの記事を何の事前知識なしに読んでも頭にハテナが浮かぶだけだと思う。

推し芸人のライブ、それは狂気と逸脱の人間愛

2021年4月12日

ちなみに前回のライブの内容レポートを詳しく書いたらまさかのyoutubeリンク流入元分析から、本人に捕捉された。あの時はわたしの気持ちが大変だった。

わたしはばつぐんに気が小さい。気が小さいうえに感情がバカでかい。様々な感情が押し寄せて圧倒された結果動転し、気を沈めるために酒を煽って鴨川に身をひたすまでやった。これが繰り返されるとそのうちわたしは、鴨川のヌートリアの行く手を阻みアオサギの足休めとなるブヨブヨの有機体に変貌を遂げるだろう。

そして「熱心」と言ってリンクをシェアされたのを未だに根に持っている。膨大な語彙を使いこなす推しに当てられた言葉が熱心だとは…。わたしは闇の住人なので、熱心ということばをかけられてあまり喜べない。そういう世界観の人なんだよ…。

喜んでもらえたことは嬉しいとしても、それを凌駕するパニックだった。放屁の場に居合わせられたらイヤじゃん!!!これみよがしに感想を書くのも心がキュッてする。これまで私が生きてきた世界にはないプロトコルだ。わたしは気兼ねなく好き放題に書きたいからこうやって沖の孤島みたいなブログをやっているわけで。

例えるならば、まだ自我が3歳ぐらいなんだ、心のひだが建設途中なんだ。そんな人間が精一杯自己開示の練習をしてるブログを引用して、推し本人に直々にリアクションをされるのには耐えられない。推し本人が喜んだり、推している推しのファン(ファンの方々がそもそもかなり尊い)に届いたのはもちろん嬉しいが、それとこれとは話が別なのだ。だからたとえ読んだとしてもそっとしておいてほしい。

「この観客、あれ書いたヤツかぁ。」って思われてたらどうしよう、絶対すぐに元素状態に戻りたくなる。作品はあまねく好きだが、推しという一個人に自分をもって対峙するには気が弱すぎる。そんな面倒くさいわたしの面倒くささを増長させるトリガーが推しライブだ。魅惑にして鬼門。絶対にYoutube動画よりも生で見るべき芸風なのだけど、こちらが推しを覗く時、推しもまたこちらを覗いているような気がするくらいに会場キャパが小さい。

鴨川で深夜に行水した時はすっきりしたものの、客観的にみて破滅的行動の序盤という感じだし、その後数日間鼻風邪をひいた。このご時世でしょうもない理由で風邪をひいて病院に行きたくない。

だからブログで詳細に内容と感想を書き連ねるのはリスクだと思い、内容の詳細について書きたい気持ちが大きくなったら別媒体でやることにした。自我の分霊箱みたいになってきているこのブログに紐付けられるより良い。

だからここにはリンクで捕捉されない、ライブの内容にもほとんど触れない、あたりさわりのない印象の備忘録だけのこしておくことにする。ちなみにここで言う “当たり障りのない” は、これから書く内容がプレーンであるという意味ではない。

推しの印象
●前より幕間の表情が多く元気そう、人間のオモテ面、という感じだった。そう感じるのは前回は訪問が深夜だったからなのか。推しの無表情、少しこわい。不摂生さがそれを増長させている気がする。推しの不摂生見て我が振りなおせ。
●ただ相変わらず不摂生そうだったが少々日焼けしていた。ビタミンDが生成されていそうで、良い。
●皺になりにくい素材の前ボタン半袖黒シャツを着ていらして、ふとみると芸名ロゴの刺繍が左胸に入っていた。推しのロゴは、芸名の文字の外郭を削ぎ落としたミニマルでかっこいいものだ。もしこれファンの差し入れもしくは友人のプレゼントだったら、あまりにもセンスがいい。自作でもセンスがいい。
●相変わらず、椅子の扱いが雑。
●推しが幕間にずっと左ふくらはぎをかいていたので、「蚊に噛まれたのかな…ムヒ貸そうかな…」と迷った。けれど、そういうクセでしかなかったらおそらくお互いに恥ずかしいのでやめた。わからない、推しには恥ずかしさとかはないのかもしれない。そうしたらお互いに恥ずかしいかもしれないと思った自分がいっそう恥ずかしいだろう…ああ、入れ子状だ、出られない。
●お尻に食い込んだパンツを頻繁に直していて、男性用パンツにも食い込むやつがあるんだな、と思った。そんなに食い込むパンツを48時間ライブ時に履いてくるのってどうなんだろう、足がむくみそうだな。

会場について
●間口が狭く奥に長い会場の使い方が変更されていた。横に長く縦に狭い配置で、椅子が一列真横に配置されている。まんなかに座っている観客とパフォーマーの距離は1mほどと、近い。わたしは一度様子見で会場前を通り、「あかんやつや」と思って近所のスーパーでストゼロ缶を買って感覚を鈍麻させてから行った。(良い子は真似しないでください。)しかし無事端っこの席を確保できたので、安心して鑑賞できた。
●片方の壁には今回やるコントらしいタイトルの書かれた紙がずらっと貼ってある。どういう基準のチョイスなんだろう、結局聞かなかった。配信は結局したのだろうか、したとしたらそこで話してたんだろうか。
●会場の使い方変更により推しの背景がコンクリ壁で、映える映える。推し、仕上げの粗いコンクリ壁が似合う。以前のベニヤに黒布のしつらえよりも良い。
●やたらと救急車と消防車とパトカーが会場前の道を通り、音への感受性が高そうな推しはいちいち反応していた。なんだか不穏な夜だった。
●トイレ使用がいくつかの理由により非推奨だった。いくつか、だと思う。トイレに行こうと思ったら「あっトイレは今トイレットペーパーがないし…、非推奨です。」と言われた。「…、非推奨です」の「…」の部分はなんなんだ。一体何を言い淀んだんだ。そして、会場から出ないルールを課している自分の排泄はどうするんだよ。うんこのコントを数多く作るわりには、便秘とかあるいはうんこの形質には言及されないから、どうせ腸もかしこいんだろ。てことは唯一外出できる入浴の1時間に済ませるとか、あるいは48時間くらいならホールドして問題がないのか。いずれにせよ、推しの排泄事情が脳のCPUを圧迫するのは不本意だったのでトイレットペーパーを買って差し入れた。ただちょっと気が利く無害な参加者、くらいに思ってもらっていたらいいなと思う。

推し発言録
●僕はバカなんだろうなあ:あなたのは “一周回ってバカ” だし、それはたぶん幸せなやつだ。
●おだやかな午後だ:そのフレーズ、たいがい木漏れ日のある昼下がりにカフェテーブルかベンチで言うやつなんよ。午後って言っても、もう夜8時前だし、全力で顔をしかめ地団駄を踏むコントの後にいう言葉にしては温度感にギャップがある。でも、推しがしみじみ穏やかな午後だと思っている世界が成立しているのであれば、それは良きことです。
●さわやかなコントやります! → 妖怪っぽいおじさんが主役の狂作『スイミングスクール』を全力上演:あ、ドSなんだ…。
●こんなバカなコントに整合性を求めてはいけません!:これはその通りだ、わたしの修行が足りなかった。意味を汲み取るのがめちゃめちゃ巧い人が作り続けている意味のないものを面白がるコントを好きになった理由を忘れたか。整合性を求めない方が楽しめるものは多い。

書き進めながら湧き出してきた、推しの印象・2層目
●差し入れを食べるごとに何らかの素直な美味しいリアクションをするの、性格がいい。もしくは気持ちの良いしたたかさだ。
●新しく開発したという演技ギミックにより、観客側に後ろ姿を見せるポイントがいくつかあった。それにより『正面からの印象では猫背がひどいなと思っていたけど肩甲骨がついている位置は正常だから、むしろ重度のストレートネックなんだ』と気がついてすっきりした。
●自分でネタをやりながら若干笑っており、少しだけ自分が残ってる感じだったのがリラックスした雰囲気を醸し出していた。これくらいの空気感、いいな。降霊術に失敗してたし、そのせいなのかもしれない。(前説みたいなアペタイザーみたいなコントがそういう類のものだった)
●ガラスに映った自分、あるいは通行人に対して「狂人を見るような目をしやがって。そんなんじゃねぇよ…」と言っていたが、私は常に「こいつやべーな」「こんなこと思いつくなんて、狂ってるな」という目で見ているし、会場にいる時もそう思っていた。それと通行人の目線との違いは何なのだろうか。警戒心をもって正直な反応を隠す注意深さか、怖いもの見たさで内側に入り込む意思か。
●前振りの序盤で新しいお客さんが入ってきたのでネタを中断して椅子を差し出すが、そのネタを再開してくれなかったのでずっと気になっている。まるで軍医と自称する英語の先生のコントだった。atでもinでもなくて、何なんだよ軍医さん。こういうツッコミをずっと心の中で入れているんだけどそういうことを現場で言えるわけもないので大人しくニコニコしていた。炭次郎は長男だからという理由で苦難に耐えられるが、わたしは長女だけどそういう事にはストゼロがないと耐えられない。ロング缶をあおってから行ってよかった。

ちなみに最近読んだ良書松本俊彦『誰がために医者はいる』に、アルコールがどんな薬物よりも一番最悪の結果をもたらすと書いてありました。そして、良い薬も悪い薬もなく、良い使い方と悪い使い方しかない、と。容量を超えた推しの供給を浴びる時には、良薬としてはたらいてくれる。

一緒に行くはずだった友人がまさかの場所間違いで来れなくて一人で恐る恐る行ったけども、なかなか満足感が高く帰ってきてからもほっこりした気分でライブを思い返している。ただ一つだけ残念なことがあって、仕事の電話が入って一旦外に出、終わって会場に戻ったらちょうど一番ライブで聞きたかった『偽善の家電』が終わったところだったこと。最後のパンチラインをお守りみたいに思っているので、見たかった。