8月の遊びだの季節の変わり目だの

 

もう夜となったら足先が冷たくなる季節になり、わたしは羽毛布団を出した。タオルケットか羽毛布団かの2つしか選択肢がないので、少し暑いが仕方がない。でもさすがは鳥の機能に特化した物質を拝借して作った寝具だけある、熱や湿気をうま〜く外に逃して、暑すぎたり寒すぎたりして起きることがない。

やっぱり布団が好きだ。布団にくるまれているだけで幸せ、楽しい。学生時代はなんとなくバリキャリになるものだと思っていたけれど、紆余曲折あって1日10時間布団にいるような30才になった。しかしそれがだいぶと幸福なことなので、「人間、力を抜いていたら自然と向いているほうに流れていくのだ」と思う。眠っていないときは大体ぼんやり考え事をしている。そんな中で先月のことをいろいろと思い返してみたので書いてみたい。

●子供たちの夏の思い出作りミッション

わたしには5歳と7歳のマブダチがいる。本気で遊び本気の言葉をかけるので、子供には好かれる。彼らもまた実直に接してくれるので、わたしも楽しい。

そしてその2人がわたしに会うのを楽しみにしているというので、久しぶりのアウトドアに参加してきた。彼らは友人宅のお子様たちなのだが、「今月仕事の予定があるからまた家に泊めてもらうね、そしたらいっぱい遊ぼうね」という言葉をそれはそれは楽しみにしていたらしい。その仕事は、実はオリンピック後の緊急事態宣言のおかげで流れてしまったのだけど、子供達は失望させたくない。それに、自営業の両親の元で夏休みらしい思い出を作れていなかったということも聞いていたので、全力で夏らしい遊びをした。わたしも6、7才の時、属性がよく分からないけど面白い大人たちに遊んでもらって楽しかった記憶がぼんやりとあるので、そういう記憶の片隅にいるオネエチャンになれたらいいなと思った。

コテージでのバーベキュー、落ちている実の特定(「お父さんのスマホ貸して!PictureThis する!」というデジタルネイティブ世代、恐ろしい。)、川で小魚とりや石投げ。あとは7歳児が今ハマっているペーパークラフト。ものづくりに夢中になる顔をみるだけで、もはや感動を覚える。キャンプ場にも紙とノリとハサミを持ち込むその熱狂が、へし折られることなくまっすぐ伸びていってくれ、と願った。

非日常の楽しさに、興奮しきる子供達だが、大人は体力が続かない。朝もわたしが一番寝起きが悪く、対して子供たちは元気が有り余っていたので、背中を「マッサージ」と称して踏んでもらう。わたしの背中の上で嬉々としてステップを踏み、飛び跳ねるお子様たち。子供は大人を踏みつけるのが楽しい、大人は体力温存しながら子供を楽しませマッサージも受けられる。完璧なWin-Winの様式だった。

●オフィスというか秘密基地というか遊び場
スパイスカレー、ハッカ湯、燻製、ハンモック、浴衣をする。情勢を存分に気にしながらも、よく遊んだのでえらい。オフィスの共同運営者と「舌の日」と称してスパイスカレーや燻製を食べる会をするのは、日常に非日常を組み込むいとなみだな、と思う。

自分の場所があると、大勢と濃厚接触するわけでもなく、しかし五感を満たし身体性を涵養する取り組みを遠慮なくできる。また日常生活を愉快に生きる遊びを心がけているこのオフィスまわりに集まる人たちは「遊ぶために生まれた」という信念をもって必死に遊んでいる部分すらある。それぞれお互いの知識を喜んで教え合うのもまたいい。リモートワークがバズワードのようになっている今、逆張りして共同オフィスを始めたのは本当に正解だった。デジタルでは充足できないものを共有できる人と、その価値観で繋がれている感じがして嬉しい。

そして自作パンチェッタの燻製は最強であるということ、スパイスカレーにラム酒入りラッシーも最強であるということを学んだのは収穫だった。さっそく、いそいそと次のパンチェッタを仕込んだ。この二つ、コスパも最強だ。豚バラのかたまりと塩とハーブ、セロファン、そして冷蔵庫があったらめちゃくちゃおいしいパンチェッタが大量にできる。ラッシーもヨーグルトと牛乳と砂糖があればできるし、簡単で安くてめちゃくちゃおいしい。ぜひこの方向性に舌を肥やしていきたい。

●下鴨納涼古本まつり

去年は残念ながらキャンセルとなった古本まつりが、感染症の状況は良くないながら、天気も微妙ながら、しかし開催された。嬉しくて嬉しくて、財布にお金があまり入っていないときをみはからって寄った。お金を持っていってはいけなかったのだ、全部使い果たすから。

なにしろ、屋外で古びた木の箱にぎっしりと詰まった本の数々を手にとり放題の空間はたまらない。また各古書店の選書がいい、人文・哲学書を古今東西から取り揃えた書店、大判美術書を丁寧に並べ立てた書店、カルチャー雑誌に強い書店、色とりどりの本屋のテントが並んだ空間は、めっちゃめちゃ楽しかった。あの空間に住み着きたい。今世を終えたら糺の森の幸せな地縛霊になろうと思う。