自己啓発書『思考は現実化する』をポンコツ流に解釈する

 

目標をたてても全然達成できない、とギャーギャー言っていたら、古典的な自己啓発書のナポレオン・ヒル『思考は現実化する』をすすめられた。これは、多くのアメリカの成功者へのインタビューを通じて成功者の行動にある共通点を見出し、17つのゴールデンルールとしてまとめた本だ。この内容を自分に当てはめて使えるか考えていくことにする。

言われていることはまっとうで、ざっくりリフレーズしてみると以下のようになる。ちなみに原著にはあたっていない。とりあえずまとめ記事をいろいろ読んで理解したことなので抜け漏れ誤りが存分にあるかもしれない。

  • できると信じてあきらめず行動し続ける
  • 実現したいと思うことを数値化なり具体化する
  • 時間や体力や余暇を犠牲にしても達成したいと覚悟する
  • いつまでに達成するのか最終期限を定める
  • 具体的で詳細な計画を立て、迷わず行動に移る
  • それらを繰り返し目にしたり読んだりして自分に思い込ませる
  • 他者からの否定的な意見を拒絶する
  • 同じように目標に賛同し行動する人とチームをつくる
  • 他人に協働してもらえるような人間である
  • 今の自分に足りないものを知る

 

この記事この記事でかなり詳細にまとまっているので、本の内容についてはそちらに譲りたい。個人的には「性的エネルギーをうまく活用せよ」という後半部分が、自分にはないマッチョ精神の根源を垣間見た気がして面白いなと思った。

読んでみて「いいこと書いてあるな」と思ったまではいいものの、じゃあ自分が活用できるかというとそのままでは難しい。やっぱり、この本をとってみても「眩しいな」としか思わなかった。言われていることは理解できるけれど、わたしのような人間は対象にしてないんでしょ、そういう卑屈な考えが頭に浮かんでしまう。

ざっとまとめを読んだ印象では、そもそもの段階で健全な精神と知性、長期の努力に耐えうる身体を持っている前提で書かれているようだ。生存者バイアスだ。それからインタビュー相手に共通している黄金律について書かれているので、個人の偏りみたいな部分が見えない。この本を読んで、ここに描かれている理想的な人間に近づこうとすると、多分自我が崩壊する。

でもなんとか「やりとげる力」は身につけたいものだ。というわけで成功哲学の王道をどうやったら自分に応用できるか、今から検討していく。

無謀な夢を一段抽象化してみて実現可能な別解を導く

まず決定的な欠陥として、自分のストレス耐性に難があることを考慮したい。なんらかの壁にぶち当たった時にちょっと頑張るとすぐ発疹と腹痛が出るので、マインドを鍛えるということに期待ができない。多分薬を盛るぐらいしか解決方法がない。物理的に無理なものは無理ということを理解した上で、自分の前の障壁がなんとかして打開可能かを検討する必要がある。

まぁ自己啓発書というのは自分自身を奮い立たせるための暗示をかけるためのグッズみたいなものだから、その中では無理だったときのことを検討したりはしないだろう。自分の状況に照らし合わせて他人の成功法則が自分にも応用可能か考えるところから始めなければならない。

おそらくメンタルがポンコツということだけでなく、例えば「色盲で視力も弱いがパイロットになりたい」という夢は今のところ実現できない。そもそものリソース的に物理的に無理だ。技術革新で目の治療か航空機がめちゃめちゃに発達するかもしれない、その未来にかけるしかない。あるいは、日本生まれでアメリカ大統領になりたい、も無理だ。(アメリカ生まれでないと、今のところ大統領にはなれない)足が悪いけれどもスポーツ選手になりたい、ということとは質が違う。実現しないとわかっていることにしがみつかない勇気も大切だし、次点のものを追いかけたほうがコスパがいい。

しかし色盲で視力も弱いがパイロットになりたいという夢は実現できないが、どうしてパイロットになりたいのだろうかを考えると、衣装替えした目標が立ち顕れるかもしれない。もしその理由が「かっこいいから」だったら自分が他にかっこいいと思う職業を書き出してみて実現可能性を検討してみればいいし、「いろんな国にいけるから」だったら貿易ビジネスをする、船乗りになる、などなど、なんとでもやりようがある。茶道の先生をしている人で、世界各国で教えているというケースも知っている。

自分の欲求の根本にある、動力源をしっかり把握しておくことで、むやみな挫折を防げると思う。何事に判断をつけるときにも「なんでそう思うの?」と自分に問いかける習慣を持ちたい。その答え=根拠をしっかり自分のなかに持っていると行動の足場が崩れないはずだから。

というわけで、なんらかの賞をとって名前が業界で通じるようになる、系の考えを捨てる。とりあえず今から2,3年に達成できる「成功」を考えよう。わたしは、ものづくりがしたい。それで生活が成り立ったらそれでいい。なにかを自分の手で作り出して、それでもって小さな共同体で生きていけるだけのお金を稼ぐこと、それが今の自分にとっては成功だ。

もしそれ以上の成功が欲しくなるくらいに自信がついたらまた考え直せばいい。

成功法則から致命的失敗を避ける方法を編み出す

本に書かれている成功者の姿をそのまま追求することは高みを目指さない人間には向かない。しかし見方を変えてみると、そこでゲームオーバーだよ、という失敗さえ避けたらなんとか形にはなるということではないか。つまりあまりキラキラした成功を求めすぎず、低空飛行でゲームオーバーを避けるタイプの成功を目指す。

そもそもナポレオン・ヒルの成功の定義は

他人の権利を尊重し、社会正義に反することなく、自ら価値ありと認めた目標(願望)を、黄金律に従って一つ一つ実現していく過程

という抽象的なものだ。よくわかんないギラギラした広告とかに惑わされず自分なりの成功イメージがあればいいわけで、自分の弱さを認めてしまった上で現在実現可能だと思う成功にとりあえず向かおう。

本から見えるレッドカードは

  • 行動し続けない
  • 他のことを優先する
  • 具体的な行動目標と数値設定をしない
  • 他人の批判を真に受ける
  • 他人に嫌われる性格と行動を保ち続ける

あたりで、これらを回避していれば、そのうち効果が見える気がする。

よわよわ人間としては、ライフスタイル重視(朝起きなくていい、在宅で仕事ができる)で複数の目標(文章か写真か絵あたりでご飯を食べて行けたらいいな)、もしくはざっくりした目標(語学か文章まわりの分野で、自分で制作をする仕事で生計を立てたい)のまま上のレッドカードを踏まないようにしていけばなんとかなりそう。「他のことを優先する」が鬼門だな……。すぐ気が散るから。

わたしのやりたいことって別にチームワークじゃなくてもできるし、やっぱり具体的な目標と計画設定、その確実な実施が第一なんだな。計画の実施がどうしても気分のムラで達成できないのは、根本に立ち返って精神分析について学び、自分の無意識下にあるメンタルブロックを探し当ててときほぐすしかないのかもしれない。それかついにADHD薬をもらいにいくか。効いたら面白いからやってみようかな。

どうしてもこれがやりたい、なんて熱い思いはない

根性論に立ち返ってみると、自分はやればできると思い込む、が何気に一番難しい。往々にして、すでに挫折経験があったりトラウマを抱えていた場合には「無理だったらどうしよう」という思いが強すぎて動けないし、そういう人間は「やればできると信じればできる」と言われても全然響かない。それを信じられるような過去の成功体験も、今の状況をひっくり返さないとおさまりがつかないような強い衝動もないから。

何をどれくらいどういう理由でやりたいんだっけ、というところをもう一回考え直していたら、「生きてるし、せっかくだからなんかやろうかな」程度のモチベーションでいろんなことに手を出していることがわかった。

そして、わたしが目標を達成できないのは基本的にもう現状に満足してしまっているからだ、とも思い至った。もう30歳まで生き延びて楽しく生き始めた時点で、あとは余生なのだ。

でもただそれじゃつまらないし他の世界を見てみたいな、という思いがチラッと顔を出す時に困る。だから、一歩プロフェッショナルとしてのスキル上げて高みに到達したいという理由で「やりとげる力」が欲しい。

なんだ、ただの贅沢かよ。

これくらいの熱意じゃだめなのかな、うーん。「どうしても達成したい!」という熱意ってどこから湧き出てくるものなんだろう。それが知りたい。これだ!って確定させてその基礎を再考しない、これって技術だとおもう。